Japanese
English
論述
足多趾症—4代9名に発症した1家系報告とその遺伝的考察
Hereditary Study of Polydactylia of Toes
村上 恒二
1
,
村岡 博
1
,
室積 正人
1
,
渡 捷一
1
,
生田 義和
1
Tsuneji Murakami
1
1広島大学医学部整形外科学教室
1Department of Orthopedic Surgery, Hiroshima University, School of Medicine
キーワード:
polydactylia
,
toe
,
heredity
Keyword:
polydactylia
,
toe
,
heredity
pp.917-921
発行日 1986年8月25日
Published Date 1986/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408907461
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
抄録:4世代にわたり同様の足趾奇形が多発し,家系内発生と考えられた稀な1例を経験したので報告するとともに,広島大学整形外科における足多趾手術例について家系内発生頻度や他奇形との関連性などを検討した.症例は1歳4ヵ月の男児であり,右足第1趾および第5趾に多趾がみられ,左足では第2,3趾の合趾症がみられた.本家系においては,4世代9人にわたり第1趾多趾の多発がみられ,遺伝形式は常染色体優性遺伝によるものと考えられた.本例から足多趾における遺伝性が示唆されるため,当科における足多趾手術例98例129足について軸性別に検討を加えた.足多趾の発生頻度は後軸性多趾が圧倒的多数を占めていたが,家系内発生率や手の奇形の合併率については前軸性多趾に最も高い頻度であり,後軸性多趾に最も低率であった.自験例の検討から,前軸性多趾においては濃厚なる遺伝要因の存在が考慮されるものと考えられた.
Copyright © 1986, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.