Japanese
English
運動器疾患に対する保存的治療――私はこうしている Ⅱ.保存的治療にあたっての診断,支援機器,診療体制
アドヒアランスが向上するスマートフォンアプリの開発
Development of smartphone application which promotes the treatment adherence
青山 朋樹
1
,
西口 周
2
,
福谷 直人
3
,
伊藤 宣
4
,
松田 秀一
4
T. Aoyama
1
,
S. Nishiguchi
2
,
N. Fukutani
3
,
H. Ito
4
,
S. Matsuda
4
1京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻
2株式会社NTTデータ経営研究所ライフ・バリュー・クリエイションユニット
3株式会社バックテック
4京都大学大学院整形外科
1Human Health Sciences, Graduate School of Medicine, Kyoto University, Kyoto
キーワード:
smartphone
,
application
,
adherence
,
RA
,
low back pain
Keyword:
smartphone
,
application
,
adherence
,
RA
,
low back pain
pp.18-22
発行日 2019年10月25日
Published Date 2019/10/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei76_18
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は じ め に
慢性的に疼痛が続く運動器疾患においては,治療のアドヒアランスが向上し,セルフケアのモチベーションを継続する工夫が必要である.これまでにもリウマチ日記などの患者記載情報を主治医と共有することによる病状把握や,手紙を用いて活動性や栄養状態を医療従事者と共有することによるサルコペニアの防止効果が示されてきた1).しかしながら健康情報の多様化により,アナログな手法や通信手段では膨大な情報蓄積,処理が困難になってきたことから,情報をさらに処理,搭載できる仕組みが必要になってきた.そこで目をつけたのがスマートフォンのアプリケーション(アプリ)である.本邦に限らず世界的にスマートフォンの普及率は高く,その活用は医療,セルフケアの領域においても広く展開されている.スマートフォンを用いることによるメリットは,情報蓄積機能,蓄積した情報を送付,受信する通信機能,高精度のセンサリング機能,自律的なデータ解析機能を有していることなどがあげられる.加えてスマートフォンの普及が進んでいることから,使用する際に新たなデバイスを用意する必要がなく,アプリをダウンロードするだけで使用可能であることも大きなメリットである.そこで本稿においては,慢性運動器疾患のアドヒアランスが向上するスマートフォンアプリの開発を通してその意義の検討を行う.
© Nankodo Co., Ltd., 2019