Japanese
English
整形外科診療における最先端技術 Ⅰ.診断,評価
5.動的評価
2D-3Dマッチングを用いた肩甲骨三次元動態解析
-――術後リハビリテーションへの臨床応用を目指して
3-dimensional analysis of scapula movement with 2D-3D matching method for postoperative rehabilitation
池淵 充彦
1
,
箕田 行秀
1
,
中村 博亮
1
,
中土 保
2
,
中島 重義
3
M. Ikebuchi
1
,
Y. Minoda
1
,
H. Nakamura
1
,
T. Nakatsuchi
2
,
S. Nakajima
3
1大阪市立大学大学院整形外科
2歓喜会辻外科リハビリテーション病院
3大阪市立大学大学院工学研究科情報処理工学
1Dept. of Orthop. Surg., Osaka City University Graduate School of Medicine, Osaka
キーワード:
3D analysis
,
scapula movement
,
2D-3D matching method
,
rehabilitation
Keyword:
3D analysis
,
scapula movement
,
2D-3D matching method
,
rehabilitation
pp.108-111
発行日 2019年4月25日
Published Date 2019/4/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei75_108
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は じ め に
肩関節は,肩甲上腕関節と生理学的関節である肩甲胸郭関節から構成される.肩関節に対するリハビリテーションにおいては,肩甲上腕関節の可動性のみならず,肩甲胸郭関節の可動性,すなわち肩甲骨の可動性が重要視される.しかし,肩甲骨は胸郭という曲面上で運動を行っているうえ,皮膚,軟部組織,筋組織が層状に被覆しており,肩甲骨運動の把握は医療従事者の触診,視診によって,主観的かつ経験的に行われているのが現状である.
2D-3Dマッチング法は,ある物体から得られたX線像などの二次元データと,三次元データから作成された投射像などの二次元データとを重ね合わせることで,3軸方向の距離と角度の計測を可能とする手法である.コンピュータ支援ナビゲーションシステムや関節の三次元動態解析において,広く使われている手法である.
われわれは以前より,この2D-3Dマッチング法を用いて関節運動の三次元動態解析を行ってきた.今回これを応用し,肩甲骨の三次元動態解析手法の開発を試み,一定の成果を得たのでこれを報告する.
© Nankodo Co., Ltd., 2019