Japanese
English
整形外科診療における最先端技術 Ⅰ.診断,評価
1.新しい画像・機能診断
多機能OCTを用いた早期変形性関節症軟骨の粘弾性力学特性マイクロ断層診断
Micro-tomographic visualization on viscoelastic behavior of early articular cartilage using multi functional optical coherence tomography
池淵 充彦
1
,
中村 卓
1
,
箕田 行秀
1
,
中村 博亮
1
,
古川 大介
2
,
佐伯 壮一
2
M. Ikebuchi
1
,
S. Nakamura
1
,
Y. Minoda
1
,
H. Nakamura
1
,
D. Furukawa
2
,
S. Saeki
2
1大阪市立大学大学院整形外科
2大阪市立大学大学院工学研究科機械物理系専攻
1Dept. of Orthop. Surg., Osaka City University Graduate School of Medicine, Osaka
キーワード:
osteoarthritis
,
cartilage
,
micro-tomographic visualization
,
detection of strain rate
,
dynamic optical coherence tomography
Keyword:
osteoarthritis
,
cartilage
,
micro-tomographic visualization
,
detection of strain rate
,
dynamic optical coherence tomography
pp.27-31
発行日 2019年4月25日
Published Date 2019/4/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei75_27
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は じ め に
関節炎に伴う軟骨の変性については,組織学的には多くが解明されてきているが,力学的な解明は進んでいないのが現状である.現在,iPS細胞をはじめとする再生医療の進歩は目覚ましく,軟骨移植の臨床応用には軟骨の組織学的,力学的評価は必須であり,その手法は可能なかぎり低侵襲であり,客観性を有していることが必要である.
軟骨の質的評価として,MRI T2マッピングや超音波による評価が行われているが,これらの評価手法は空間分解能や検出感度が低く,軟骨のようなマイクロスケールでの組織変化,力学的変化は把握できない可能性がある.さらに,初期変形性関節症においては組織学的変性の進行度合いよりも力学的な劣化の度合いは著しいとの報告もあり1),質的評価だけでの診断は不十分と考えられる.
© Nankodo Co., Ltd., 2019