Japanese
English
整形外科診療における最先端技術 Ⅰ.診断,評価
5.動的評価
後方安定型人工膝関節の階段昇り動作におけるポスト前方インピンジメント
-――動態解析による検討
Anterior tibial post impingement in a posterior-stabilized total knee prosthesis during stair climbing;a kinematic analysis
渡邊 敏文
1
,
神野 哲也
1
,
大川 淳
2
T. Watanabe
1
,
T. Jinno
1
,
A. Okawa
2
1獨協医科大学埼玉医療センター第二整形外科
2東京医科歯科大学整形外科
12nd Dept. of Orthop. Surg., Dokkyo Medical University Saitama Medical Center, Koshigaya
キーワード:
anterior tibial post impingement
,
posterior-stabilized prosthesis
,
TKA
,
stair climbing activity
,
kinematic analysis
Keyword:
anterior tibial post impingement
,
posterior-stabilized prosthesis
,
TKA
,
stair climbing activity
,
kinematic analysis
pp.104-107
発行日 2019年4月25日
Published Date 2019/4/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei75_104
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は じ め に
後方安定(posterior stabilized:PS)型人工膝関節を用いた人工膝関節全置換術(TKA)後の平地や階段歩行において,ポスト前方と大腿骨コンポーネントのノッチ部分のインピンジメントが起こることが知られている1~3).予期しない前方インピンジメントはポストの摩耗を生じ,ポストの折損にいたる可能性もある4,5).前方インピンジメントの原因としては,インプラントの過伸展や大腿骨の後方移動,膝関節の前後の緩みなどが考えられ,脛骨コンポーネント後傾角度が大きいことも一因として報告されている1).
階段昇降は日常生活上,重要な動作の一つであり,TKA術後の満足度向上のためにも重要で,キネマティクスの研究も行われているが,ポスト前方インピンジメントを扱った報告は少ない1,3,6).また,ポスト前方インピンジメントと膝キネマティクスや患者立脚型評価の関連については十分に研究されていない.
本研究の目的は,われわれが使用している深屈曲PS型の人工膝関節において,階段昇り動作時のポスト前方インピンジメントの有無を三次元的に評価し,インピンジメントの発生頻度とタイミング,およびインピンジメントに関連するキネマティクスとその他の要因を明らかにすることである.
© Nankodo Co., Ltd., 2019