Japanese
English
しびれ・痛みに対する整形外科診療の進歩 Ⅰ.総 論
1.薬物療法
整形外科の疼痛性疾患に対する漢方治療
Treatment of pain due to orthopedic disorders with kampo medicine
福嶋 裕造
1
Y. Fukushima
1
1福嶋整形外科医院
1Fukushima Orthopedic Clinic, Kurayoshi
キーワード:
eppikajutsuto
,
daiobotampito
,
gout
,
pseudogout
,
acute lumbago
Keyword:
eppikajutsuto
,
daiobotampito
,
gout
,
pseudogout
,
acute lumbago
pp.32-35
発行日 2018年10月30日
Published Date 2018/10/30
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei74_32
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
は じ め に
整形外科の疼痛性疾患に対する治療として,漢方薬は強い痛みに対しては使われてこなかった.自験例でも整形外科的疾患に対して寒冷で悪化するなど稍虚証の疾患に対しては随証治療で正確な漢方治療ができたが,急性腰痛症や痛風,偽痛風などのいわゆる稍実証の整形外科疾患に対しては非ステロイド性消炎鎮痛剤(nonsteroidal anti-inflammatory drugs:NSAIDs)やステロイドを使用してきた.これは,漢方の一般的で基本的な成書には,虚証の疼痛に対しては漢方薬が有効であるが,強い疼痛に対してはNSAIDsなどの西洋薬を優先するといった記述があったため,整形外科領域の漢方を専門にしている医師は当初より漢方薬の使用を考慮せず,NSAIDsを使用してきたためと考えられる.今回,炎症を伴った疾患をはじめ稍実証の整形外科の各疾患に対して越婢加朮湯と大黄牡丹皮湯を併用して有効であったので報告する.
© Nankodo Co., Ltd., 2018