Japanese
English
臨床経験
痛風により発生したと思われる肩鎖関節症の1例
A Case Report of Chronic Gouty Arthritis of Acromioclavicular Joint
松島 哲郎
1
,
堀部 秀二
1
,
山中 健輔
1
,
井上 明生
1
Tetsuro Matsushima
1
1久留米大学医学部整形外科
1Department of Orthopedic Surgery Kurume University School of Medicine
キーワード:
痛風
,
gout
,
肩鎖関節
,
acromioclavicular joint
Keyword:
痛風
,
gout
,
肩鎖関節
,
acromioclavicular joint
pp.197-200
発行日 1993年2月25日
Published Date 1993/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901055
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抄録:我々は,10年来の経過をもち,肩鎖関節にX線像上侵食像を呈した症例を経験した.症例は,35歳,男性.右肩痛及び関節可動域制限を主訴に来院し,検査所見として高尿酸血症(尿酸値:8.9mg/dl),X線像上肩鎖関節に,痛風性変化と思われる抜き打ち像を認めた.他関節症状として,母趾MP関節,膝関節に全経過のうち2回の疼痛が生じていた.症状が長期にわたるため,鎖骨遠位端を切除したが,術後経過は良好である.滑膜は,慢性炎症の病理像を呈していた.関節液からは,尿酸結晶は認められず,痛風とは確診できなかったが,約10年間高尿酸血症の状態であったことが予測され,長期にわたって疼痛発作を繰り返してきた痛風性の肩鎖関節症と考えられた.痛風により発生した肩鎖関節症の報告は,今まで我々の調べた範囲では1例のみで,本症例は,その点で極めて珍しい症例と思われたので,その鑑別診断を中心に報告した.
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