Japanese
English
症例報告
痛風結節に起因した手根管症候群の1例
A Case of Carpal Tunnel Syndrome Caused from Tophaceous Gout
山田 賢治
1
,
関谷 繁樹
1
,
佐野 浩志
1
,
前田 義博
1
,
中村 明訓
1
,
都築 暢之
2
Kenji Yamada
1
1赤心堂病院整形外科
2埼玉医科大学総合医療センター整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Sekisindou Hospital
キーワード:
gout
,
痛風
,
gouty tophus
,
痛風結節
,
carpal tunnel syndrome
,
手根管症候群
Keyword:
gout
,
痛風
,
gouty tophus
,
痛風結節
,
carpal tunnel syndrome
,
手根管症候群
pp.693-696
発行日 2003年5月1日
Published Date 2003/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408100718
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抄録:痛風結節に起因した手根管症候群の稀な1例を経験した.症例は38歳の男性で,18年前頃より手足の関節痛を自覚し,7,8年前より両側アキレス腱部の腫瘤・疼痛発作が出現したため痛風の診断で近医にて内服治療を受けていた.しかし,症状は次第に増悪し,アキレス腱部の結節,同部の疼痛の増強と左手のしびれ感を主訴に当院を紹介され受診した.左手母指球筋は著明に萎縮し,正中神経領域の知覚鈍麻が認められた.血液検査所見にて尿酸値は9.4mg/dlと高値を示した.手根管開放術を施行し,術中所見にて正中神経は横手根靱帯中央部で圧迫され菲薄化し近位部に偽性神経腫を形成していた.痛風結節は掌側手関節包に沈着していた.病理組織所見にて,周囲に多数の異物巨細胞を伴う尿酸結晶の沈着が認められた.痛風結節の増大とともに正中神経は圧排され手根管症候群へと進展したものと考えられた.
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