腰椎化膿性脊椎炎との鑑別を要した腰椎椎間板偽痛風による脊椎炎の1例

Lumbar spondylitis due to pseudogout resembling pyogenic spondylitis：report of a case

　偽痛風はピロリン酸カルシウム（calcium pyrophosphate dihydrate：CPPD）結晶が組織に沈着することで生じる疾患で，膝，手関節に多い^1）．まれではあるが椎間板や椎間関節にも生じ，画像からは化膿性脊椎炎との鑑別が困難である．偽痛風による脊椎炎のわが国での報告は症例報告が散見される程度であり^2～6），報告の多くは椎間関節に発症するもので椎間板に発症するものは非常に少ない．

　腰椎化膿性脊椎炎との鑑別を要し，椎間板に発生した偽痛風による脊椎炎を経験したので報告する．