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特集 骨粗鬆症性椎体骨折—診断・治療に迷わないための最新知見
椎体圧潰が進んだ骨粗鬆症性椎体骨折に対するリン酸カルシウムペーストを用いた前方支柱再建
Anterior Column Reconstruction Using Calcium Phosphate Paste for Osteoporotic Vertebral Fractures
山岸 賢一郎
1
Kenichiro YAMAGISHI
1
1東大和病院整形外科
1Department of Orthopedics, Higashiyamato Hospital
キーワード:
骨粗鬆症性椎体骨折
,
osteoporotic vertebral fracture
,
OVF
,
リン酸カルシウムペースト
,
calcium phosphate paste
,
CPC
,
椎体形成術
,
vertebroplasty
Keyword:
骨粗鬆症性椎体骨折
,
osteoporotic vertebral fracture
,
OVF
,
リン酸カルシウムペースト
,
calcium phosphate paste
,
CPC
,
椎体形成術
,
vertebroplasty
pp.851-857
発行日 2025年7月25日
Published Date 2025/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.055704330600070851
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骨粗鬆症性椎体骨折(OVF)遷延治癒,偽関節症例に対して,BKP(balloon kyphoplasty)が広く行われている.しかし,椎体内に硬化像がありバルーンがうまく広げられない,または,椎体壁からのPMMAの漏出が危惧される症例が存在する.われわれは,そのような症例に対して,リン酸カルシウムペースト(CPC)を用いた椎体形成術を行っている.CPCは生体親和性を有し,硬化後ハイドロキシアパタイトに変化し骨と直接結合する.本術式では,椎体内に術者の意図する空間を作成し,高粘度のCPCを椎体外へ漏出することなく充填することができる.また,OVF症例に対して,セメント注入型椎弓根スクリューが2021年より本邦でも使用可能となり広く行われている.従来型より固定力は増しているが,前方支柱なき後方augmentationには限界があると考えている.そのような症例に対しては,応用として経椎弓根的にCPCによる椎体・椎体間に充填による前方支柱再建を行っている.後方単独に行え,比較的低侵襲で,局所後弯の矯正も保たれ,有用な方法である.本術式は,適応が広く,応用の効く術式である.X線透視があれば行える手技でOVFを扱う脊椎外科医にとっては,非常に有用な武器になると考えている.筆者なりのCPCを用いた椎体形成術と手技のピットフォール,また,隣接椎間板腔にもCPCを充填する応用テクニックについて紹介する.

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