Japanese
English
スポーツ傷害の予防・診断・治療 Ⅰ.総 論
3.画像診断
関節軟骨損傷に対する治療選択ならびに最近の知見
Treatment strategies and current concepts in articular cartilage injuries
赤木 龍一郎
1
,
山口 智志
2
,
渡辺 淳也
3
,
佐粧 孝久
4
R. Akagi
1
,
S. Yamaguchi
2
,
A. Watanabe
3
,
T. Sasho
4
1千葉大学整形外科
2千葉大学国際教養学部
3千葉大学大学院総合医科学
4千葉大学予防医学センター
1Dept. of Orthop. Surg., Graduate School of Medicine, Chiba University, Chiba
キーワード:
articular cartilage injury
,
cartilage repair
,
bone marrow stimulation
,
osteochondral transplantation
,
autologous chondrocyte implantation
Keyword:
articular cartilage injury
,
cartilage repair
,
bone marrow stimulation
,
osteochondral transplantation
,
autologous chondrocyte implantation
pp.43-46
発行日 2018年4月25日
Published Date 2018/4/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei73_43
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は じ め に
関節軟骨は少数の軟骨細胞がⅡ型コラーゲン線維や糖蛋白,水分からなる細胞外基質に囲まれた構造をしており,損傷を受けた際に自然治癒力がきわめて乏しいことが知られている1).スポーツや交通事故などの外傷に伴って関節軟骨が損傷を受けると関節痛やひっかかり感,関節水症の原因となり患者の生活の質(QOL)を著しく障害する.長期的には周囲の軟骨変性に引き続く軟骨の摩耗を引き起こし,変形性関節症に進行する危険因子となる.老化や炎症などに伴い広範に軟骨が変性し摩耗する変形性関節症と異なり,外傷性に生じた関節軟骨損傷や部分的に軟骨が剥がれてしまう離断性骨軟骨炎(osteochondritis dissecans:OCD)においては,軟骨の欠損範囲が比較的限局していることが多いため,軟骨組織の修復をめざしてこれまでさまざまな治療が試みられてきた1).本稿では主にこうした軟骨損傷に対する治療の選択肢と最近の知見について述べる.
© Nankodo Co., Ltd., 2018