Japanese
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特集 新組織学シリーズⅣ:骨・軟骨
Ⅰ.骨・軟骨組織の構造と細胞分化・機能
軟骨細胞の分化制御機構と関節軟骨損傷の再生治療
Regulation of chondrocyte differentiation and regenerative therapy for articular cartilage damage
妻木 範行
1,2,3
Tsumaki Noriyuki
1,2,3
1大阪大学大学院医学系研究科
2大阪大学大学院生命機能研究科組織生化学
3大阪大学WPIヒューマン・メタバース疾患研究拠点
キーワード:
軟骨細胞
,
細胞分化
,
内軟骨性骨化
,
軟骨再生
,
関節軟骨
,
人工多能性幹細胞
,
iPS細胞
Keyword:
軟骨細胞
,
細胞分化
,
内軟骨性骨化
,
軟骨再生
,
関節軟骨
,
人工多能性幹細胞
,
iPS細胞
pp.520-525
発行日 2023年12月15日
Published Date 2023/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425201783
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軟骨には成長軟骨と関節軟骨があり,それぞれ骨格の成長と滑らかな関節運動を担う。軟骨細胞は発生過程において中胚葉の未分化間葉系細胞に由来し,複数のステップから成る分化過程をたどる。PTHrP-HDAC4-MEF2C経路は軟骨細胞分化を制御するメジャーな経路の一つである。この経路において,SIK3はHDAC4の細胞局在を制御して軟骨細胞肥大化を促進する。そして,生後に二次骨化中心が出現すると共に関節軟骨と成長軟骨が形成される。
関節軟骨は損傷を受けると治癒せず,再生治療の対象となっており,自家軟骨細胞移植が実用化されている。また,人工多能性幹細胞(iPS細胞)から分化誘導した軟骨組織による再生治療の研究開発が進行している。発生過程の軟骨分化機構の知見は,iPS細胞から軟骨を分化誘導する研究に役立つ。また,損傷部に移植する軟骨を十分に供給するため,同種移植の有効性が研究されている。
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