Japanese
English
スポーツ傷害の予防・診断・治療 Ⅱ.部位別各論
5.膝
膝離断性骨軟骨炎における鏡視下骨釘移植術の有用性と限界
Arthroscopic bone-peg graft fixation for the treatment of osteochondritis dissectans of the knee
花田 弘文
1
,
原 道也
1
,
藤原 明
1
,
武田 研
2
,
佐伯 和彦
3
,
山本 卓明
3
H. Hanada
1
,
M. Hara
1
,
A. Fujiwara
1
,
K. Takeda
2
,
K. Saeki
3
,
T. Yamamoto
3
1福岡リハビリテーション病院整形外科
2黒崎整形外科病院
3福岡大学整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Fukuoka Rehabilitation Hospital, Fukuoka
キーワード:
osteochondritis dissecans
,
arthroscopic surgery
,
bone-peg graft fixation
Keyword:
osteochondritis dissecans
,
arthroscopic surgery
,
bone-peg graft fixation
pp.183-190
発行日 2018年4月25日
Published Date 2018/4/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei73_183
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は じ め に
離断整骨軟骨炎(osteochondritis dissecans:OCD)は,関節において限局的に関節軟骨や軟骨下骨組織が母床から剥離する疾患である.近年,成長期のスポーツにおける運動量の増加は発達途上にある関節軟骨に障害をもたらすリスクを高くしている.膝関節におけるOCDは10万人あたり20人前後と報告されており,発症率は見過ごすことができないと考えられる.OCDを放置すると将来的に変形性膝関節症を引き起こす可能性が高く,青壮年期や高齢期になりロコモティブシンドロームや運動器不安定症につながるリスクがある.それゆえに正確な診断および早期の適切な治療を行う必要性がある.
われわれは,保存的治療が無効なOCDの症例に対して鏡視下骨釘移植術を施行し良好な術後成績を報告してきた1~3,6).しかしながら,鏡視下骨釘移植術を予定しながら,関節鏡所見で分解進行期のため良好な整復を得ることができず,術中に骨軟骨移植術への変更を余儀なくされた症例もある4,5,7).本稿では,スポーツ選手のOCDに対する鏡視下骨釘移植術の有用性と限界について述べる.
© Nankodo Co., Ltd., 2018