Japanese
English
スポーツ傷害の予防・診断・治療 Ⅱ.部位別各論
5.膝
ジャンパー膝
-――膝蓋腱症
Jumper’s knee;patella tendinopathy
大島 健史
1
,
中瀬 順介
1
,
土屋 弘行
1
T. Oshima
1
,
J. Nakase
1
,
H. Tsuchiya
1
1金沢大学整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Graduate School of Medical Science, Kanazawa University, Kanazawa
キーワード:
patella tendinopathy
,
jumper’s knee
,
risk factor
,
pathology
,
conservative therapy
Keyword:
patella tendinopathy
,
jumper’s knee
,
risk factor
,
pathology
,
conservative therapy
pp.169-174
発行日 2018年4月25日
Published Date 2018/4/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei73_169
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は じ め に
ジャンプ・ランニング動作の繰り返しにより,膝伸展機構に負担がかかり障害が生じる.膝伸展機構である大腿四頭筋腱膝蓋骨付着部,膝蓋骨,膝蓋腱(膝蓋骨付着部,実質部,脛骨付着部)に障害が生じうるが,広く知られている「ジャンパー膝」は膝蓋腱膝蓋骨付着部の膝蓋腱症(patella tendinopathy)であり,外傷性のものも含まれるが,一般的に慢性のオーバーユースによる障害を指す.治療の第一選択は保存的治療であるが,慢性化し膝蓋腱に器質的な変化が生じると手術が必要となる.手術による満足度は80~90%であるものの,復帰には5~6ヵ月を要するため1),予防や発症早期の適切な保存的治療が重要である.そのためには危険因子を理解すること,膝蓋腱症の急性期(膝蓋腱炎:patella tendinitis),および急性期から慢性期(patella tendinosis)へと進行する病態を理解することが必要である.
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