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大学野球選手における剪断波エラストグラフィーによる肩後方筋群弾性率と肩後方タイトネスの関係
Assessment of posterior shoulder muscle stiffness related to posterior shoulder tightness in college baseball players using shear wave elastography
美舩 泰
1
,
篠原 一生
1
,
加藤 達雄
1
,
古川 隆浩
1
,
乾 淳幸
1
,
黒田 良祐
1
Y. Mifune
1
,
I. Shinohara
1
,
T. Kato
1
,
T. Furukawa
1
,
A. Inui
1
,
R. Kuroda
1
1神戸大学大学院整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Kobe University, Kobe
キーワード:
muscle stiffness
,
shear wave elastography
,
posterior shoulder tightness
,
baseball
Keyword:
muscle stiffness
,
shear wave elastography
,
posterior shoulder tightness
,
baseball
pp.1315-1318
発行日 2021年11月1日
Published Date 2021/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei72_1315
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【要 旨】
目 的:野球選手にとって肩関節の可動域(ROM)制限は肩・肘障害のリスクが高くなる要因の一つとして知られている.本研究では野球選手の肩関節後方tightnessの有無と肩関節後方筋群の硬さをshare wave elastography(SWE)を用いて評価し,その関係性を検討した.
対象および方法:合計21名の大学野球選手がボランティアとして参加した.ゴニオメーターを用いて肩甲上腕関節の外転・水平屈曲のpassive ROMを測定し,両側の可動域をもとにSTIFF+群とSTIFF−群の2群にわけた.肩後面と下面の筋群の筋厚と弾性を超音波を用いて評価した.
結 果:投球側の肩関節外転ROMは,STIFF+群とSTIFF−群でそれぞれ114.5°±5.3°,131.3°±5.7°と,2群間で有意差があった(p=0.023).投球側の水平屈曲ROMに関しても,STIFF+群とSTIFF−群でそれぞれ96.6°±4.9°と110.9°±4.8°であり,二つの群間で有意差があった(p=0.014).棘下筋と僧帽筋下部の弾性は,STIFF+群がSTIFF−群に比べて有意に高かった(p=0.018,0.033).
考 察:本研究では肩関節外転・水平屈曲での制限がある群ではない群と比較して棘下筋と僧帽筋下部の弾性が有意に高く,肩関節後方tightnessの治療戦略においてはこの二つの筋肉が重要である可能性が示唆された.
© Nankodo Co., Ltd., 2021