手術支援･最新の取り組み◆3.感染予防と治療 長管骨骨折術後感染性偽関節に対する抗菌薬混入セメント髄内釘の使用経験

抗菌薬混入セメント髄内釘(セメントロッド)を用いて骨折術後感染性偽関節の治療を行った9例の成績を報告した。骨折部位の内訳は上腕骨2例、脛骨6例、大腿骨1例で、感染の起因菌はEnterococcus faecalis 3例、MRSA 2例、MSSA 2例、Staphylococcus epidermidis 1例、Anaerococcus prevotii 1例であった。セメントロッドの作成は中村らの方法に準じて行い、セメックス40gにバンコマイシン塩酸塩3gを混入して髄内釘を包埋した。全例で感染の鎮静化と骨癒合が一期的に得られ、感染の再燃はなく、追加手術を要した症例もなかった。代表例1例を提示した。