人工関節置換術-最新の知見
人工関節の臨床成績(中~長期含む) 股関節の人工関節 臼蓋形成不全股に対する圧縮砕片状と付加型塊状骨移植を併用した人工股関節の有用性
丸山 正昭
1
,
若林 真司
,
天正 恵治
,
比佐 健二
1長野県厚生農業協同組合連合会篠ノ井総合病院 整形外科
キーワード:
X線診断
,
骨移植
,
分類
,
集学的治療
,
治療成績
,
人工股関節
,
股関節置換術
,
臼蓋形成不全
Keyword:
Combined Modality Therapy
,
Classification
,
Hip Prosthesis
,
Radiography
,
Bone Transplantation
,
Treatment Outcome
,
Arthroplasty, Replacement, Hip
pp.154-158
発行日 2014年4月10日
Published Date 2014/4/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2014270821
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介在型塊状骨移植に圧縮砕片状骨移植と付加型塊状骨移植を併用した人工股関節全置換術後5年以上経過観察し得た臼蓋形成不全股302股関節について検討した。臨床成績として日本整形外科学会股関節機能判定基準(JOAスコア)、X線学的評価として移植骨の状態、人工股関節周囲のX線透亮像や弛みの有無を判定した結果、骨移植は180股に施行され、移植骨のソケット横径に対する臼蓋被覆率は平均40.5±19.5%であり、ソケットのzone 1におけるX線透亮線の出現率は骨移植なし群よりも有意に低かった。全症例において、移植骨が癒合しない症例や偽関節となった症例、ステムが緩んだ症例はなく、JOAスコアは有意に改善していた。臼蓋の横径を拡大することで通常より大きいソケットを選択でき、また塊状移植骨圧潰の危険性を回避しうる本法は、有用な臼蓋再建法であると思われた。
©Nankodo Co., Ltd., 2014