小児整形外科疾患 診断・治療の進歩
手術的治療の進歩 先天性内反足の初期治療と遺残変形への対処 特発性先天性内反足遺残変形に対する観血的軟部組織解離を併用したIlizarov法の臨床成績
中瀬 尚長
1
,
安井 夏生
,
北野 元裕
,
廣島 和夫
,
濱田 雅之
,
上田 孝文
,
樋口 周久
,
吉川 秀樹
1星ヶ丘厚生年金病院 整形外科
キーワード:
X線診断
,
足の形態異常
,
内反足
,
Ilizarov法
,
治療成績
,
軟部組織
,
軟部組織治療
,
腱延長術
,
全距骨下解離術
Keyword:
Clubfoot
,
Foot Deformities
,
Radiography
,
Treatment Outcome
,
Ilizarov Technique
,
Tenotomy
,
Therapy, Soft Tissue
pp.171-175
発行日 2013年10月20日
Published Date 2013/10/20
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2014039870
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特発性先天性内反足治療後の遺残変形または未治療の重症例11足に対して観血的軟部組織解離術を併用したIlizarov法を行い、その臨床成績について検討した。手術時年齢は平均6.5歳で、経過観察期間は平均7.6年、最終観察時年齢は平均14.5歳、創外固定装着期間は平均66.0日であった。全例で蹠行性足が獲得されたが、1例で再発し、再度距骨下関節解離術とIlizarov法を行い、最終的に蹠行性足が獲得された。Reinker&Carpenterの報告に基づく外観と機能については、術前後で有意な改善を認め、足関節ROMは背屈ROMおよび可動範囲については有意な改善を示したが、底屈ROMは有意な変化がなかった。画像所見では尖足、後足部内反、前足部内転変形はいずれも有意に改善した。合併症として、ピン刺入部感染を4足、距骨下関節癒合を3足に認めたが、皮膚障害や血行障害はみられなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2013