難治性骨折に対する治療
難治性骨折の治療(各論) 下肢骨折 下肢関節周辺骨折に対する即時創外固定後の二期的プレート固定法
鈴木 卓
1
,
峰原 宏昌
,
松浦 晃正
,
塗山 正宏
,
新谷 りょう介
,
高相 晶士
1北里大学 整形外科
キーワード:
X線診断
,
下肢外傷
,
骨折
,
内固定法
,
骨板
,
再手術
,
最小侵襲手術
,
後向き研究
,
緊急手術
Keyword:
Bone Plates
,
Fracture Fixation, Internal
,
Leg Injuries
,
Radiography
,
Retrospective Studies
,
Reoperation
,
Minimally Invasive Surgical Procedures
,
Fractures, Bone
pp.180-184
発行日 2012年4月15日
Published Date 2012/4/15
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2012339598
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高エネルギー外傷患者のうち下肢関節周辺骨折を合併しており、受傷当日にbridging external fixatorを設置し、後日プレート固定に変更した患者を手術記録より抽出し、その臨床的な特徴や合併症を後ろ向きに調査した。対象は37例39骨折(平均年齢46.4歳)で、骨折の内訳は閉鎖骨折21骨折、開放骨折18骨折であった。創外固定設置後の骨折部の皮膚所見の継続的な増悪は2骨折に認められたが、患者の疼痛コントロールは良好であった。受傷時と比べ、多くの症例で内固定時までその整復位を保持することができた。プレート固定への変更時期は平均で創外固定術後平均10日目であったが、創外固定器を手術野まで持ち込んた症例は13骨折あった。内固定時に展開を要しない症例には最小侵襲プレート固定法を用いて手術を行った。プレートの種類は、大腿骨遠位部骨折にはLess invasive stabilization systemを7骨折、Locking compression plate distal femurを4骨折に用いた。一方、脛骨近位部には様々なプレートを使用した。また、脛骨遠位部にはDistal tibial plateを16骨折に用いた。術後感染については6骨折に認めたが、創外固定が感染の原因となったものは1例であった。長期に経過観察し得た32例34骨折のうち初回内固定で骨癒合を得たのは25骨折、再手術を要したものが2骨折、再固定を要したものは1骨折、早期抜去と創外固定への変更を要したのが1骨折で、術後感染の5骨折のうち3骨折は最終的に骨癒合を得たが、1骨折が膝関節固定術、1骨折が切断となっていた。
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