骨粗鬆症診療の進歩 骨折の予防と克服をめざして
骨質とは何か?
斎藤 充
1
1東京慈恵会医科大学 整形外科
キーワード:
生物学的マーカー
,
Homocysteine
,
グリコシル化
,
骨粗鬆症
,
骨密度
,
糖尿病
,
酸化ストレス
,
Methylenetetrahydrofolate Reductase (NAD(P)H)
,
Pentosidine
,
架橋(生体高分子)
,
骨質
Keyword:
Diabetes Mellitus
,
Homocysteine
,
Glycosylation
,
Osteoporosis
,
Biomarkers
,
Bone Density
,
Oxidative Stress
,
Methylenetetrahydrofolate Reductase (NADPH2)
,
Pentosidine
pp.516-520
発行日 2009年9月1日
Published Date 2009/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2009305753
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骨粗鬆症は骨量および骨質の低下により骨強度が低下した状態である。生活習慣病は、骨密度に依存しない骨折リスクの増大をもたらすことから、骨質を低下させる要因と考えられている。骨コラーゲンの分子間に形成される架橋が、骨質因子であることが明らかとなった。骨コラーゲン架橋の異常を惹起する原因は以下であり、骨折リスクを高める。(1)動物硬化や心血管イベントのリスク因子である血中のホモシステイン高値や、その代謝に関わる葉酸還元酵素(MTHFR)の遺伝子多型、酸化ストレスの増大、(2)糖化の亢進。血中ホモシステイン測定、血中・尿中のペントシジン測定は、骨質低下を反映する骨折予測マーカーとなるエビデンスが集積されてきた。
©Nankodo Co., Ltd., 2009