運動器疾患に対する最小侵襲手術
最小侵襲手術の功罪 術後成績 手指内軟骨腫治療の進歩 鏡視下掻爬術
岡本 秀貴
1
,
関谷 勇人
,
小林 正明
,
松下 廉
,
山田 聡
,
渡辺 宣之
,
野崎 正浩
,
大塚 隆信
1名古屋市立大学 大学院整形外科
キーワード:
X線診断
,
関節鏡法
,
手指関節
,
掻爬術
,
軟骨腫
,
治療成績
Keyword:
Arthroscopy
,
Chondroma
,
Curettage
,
Finger Joint
,
Radiography
,
Treatment Outcome
pp.233-237
発行日 2011年4月10日
Published Date 2011/4/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2011225848
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手指内軟骨腫に対する鏡視下掻爬術の適応・手技を紹介し、同手術77例(男25例・女52例・平均37歳)の成績を報告した。経過観察期間8~93例で、X線像による新生骨形成時期は1ヵ月23例、2ヵ月30例、3ヵ月13例、4ヵ月4例、5ヵ月2例、平均2.1ヵ月であった。リモデリング開始時期は1ヵ月5例、2ヵ月16例、3ヵ月18例、4ヵ月11例、5ヵ月14例、6ヵ月2例、7ヵ月1例、9ヵ月1例、平均3.4ヵ月で、中高年の症例でも早期からリモデリングが生じていた。指の可動域(ROM)が正常になった時期は、記載があった56例において1週7例、2週4例、3週1例、4週14例、5週4例、6週5例、7週2例、8週12例、9週1例、11週1例、13週1例、16週2例、20週1例、24週1例であった。術後骨折を8例に認めたが、打撲の1例以外は無症候性であった。再発は3例に術後4年8ヵ月、4年4ヵ月、2年7ヵ月で認め、再度鏡視下掻爬術を行い、その後再発はなかった。症例:26歳女。右小指基節骨内軟骨腫により病的骨折をきたした。骨癒合後に鏡視下掻爬術を行い、術後早期から新生骨形成と骨リモデリングを認めた。指のROMは術後1ヵ月で回復していた。
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