運動器疾患に対する最小侵襲手術
末梢神経手術 スリット付きエレバトリウムとカーブドメスホルダーを用いた手根管開放術
麻田 義之
1
1田附興風会医学研究所北野病院 整形外科
キーワード:
整形外科用機器
,
末梢神経
,
最小侵襲手術
,
メス
,
手術時間
,
手根管解離術
Keyword:
Orthopedic Equipment
,
Peripheral Nerves
,
Minimally Invasive Surgical Procedures
,
Operative Time
pp.202-206
発行日 2011年4月10日
Published Date 2011/4/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2011225842
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
スリット付きエレバトリウムとカーブドメスホルダーを用いた手根管開放術を行った132例158手(男26例・女106例・平均63.7歳)の成績を報告した。手術時間は平均19.4分、屈筋支帯切離・確認までに要する時間(止血時間)は14.3分で、最近はおおむね15~18分で終了しており、麻酔法の変更や途中で止血帯の解除を要した例はなかった。エレバトリウム挿入困難のため2手で遠位部皮切の拡大を要した。術中合併症として1手に浅掌動脈弓分枝の損傷による出血を認めたが、神経、屈筋腱を損傷した例はなかった。術後3ヵ月以上の経過観察で、術後早期に創部の疼痛を訴えたのが5手、しびれの増強を1例に認めたが、いずれも経過中に消失した。創部瘢痕を形成した例はなく、創はほとんど目立たなかった。浜田らの評価法で、症状の著明改善あるいは消失のgoodが125手、改善を認めたが一部残存のfairが32手、改善がなかったpoorが1手であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2011