股関節疾患の治療 up-to-date
成人股関節変性疾患の治療 変形性股関節症 骨切り術 Chiari骨盤骨切り術の長期成績
藤田 貴也
1
,
船山 敦
,
柳本 繁
,
坂巻 豊教
,
戸山 芳昭
1慶応義塾大学 整形外科
キーワード:
X線診断
,
寛骨臼
,
股関節
,
骨切り術
,
骨盤骨
,
変形性股関節症
,
治療成績
,
臼蓋形成不全
,
骨盤骨切り術
Keyword:
Acetabulum
,
Hip Joint
,
Osteotomy
,
Radiography
,
Pelvic Bones
,
Osteoarthritis, Hip
,
Treatment Outcome
pp.42-46
発行日 2010年4月10日
Published Date 2010/4/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2010197572
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Chiari骨盤骨切り術の長期成績について検討した。対象はChiari骨盤骨切り術後10年以上経過観察した臼蓋形成不全を伴う股関節症102例(平均年齢34歳)で、病期は初期54例、進行期39例、末期9例であった。経過観察期間は平均14年で、骨頭の形状は初期:球形26例、扁平28例、進行期:各々21例、18例、末期:1例、8例であった。1)切り上げ角は平均6.6°、骨片の移動率は平均42%、Center edge(CE)角・Sharp角は術後に病期・骨頭形状別の全群で改善していた。2)関節症の進行は初期では最終時も関節裂隙が保たれていたが、進行期・末期では関節症変化は大きく、特に球形例で著明であった。3)JOAスコアは初期では最終時も90点以上であったが、進行期・球形例では末期例より不良であった。4)人工股関節全置換術(THA)例は4例(進行期3例、末期1例)で、最終時の新臼蓋の適合性良好率は初期で約90%であった。だが、進行期・球形では末期例より低値であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2010