発行日 2014年2月1日
Published Date 2014/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2014188442
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骨頭側に嚢胞が存在する進行期・末期の変形性股関節症に対する大腿骨外反骨切り術併用Chiari骨盤骨切り術(Chiari手術)を施行した34例(男1例、女33例、平均年齢51歳)を対象に、術後成績と嚢胞との関係および術前の嚢胞の大きさと術後成績の関係を調査した。術後経過観察期間は平均4.0年であった。日本整形外科学会股関節機能判定基準の疼痛点が35点以上の成績良好群26例は、30点以下の成績不良群8例と比較して嚢胞縮小率が有意に高かった。最終診察時の股関節の最小関節裂隙幅(MJS)が2mm以上開大したMJS開大群25例では、1mm以下のMJS不変群9例と比較して嚢胞縮小率が有意に高かった。また、嚢胞縮小群15例は疼痛改善率が100%であり、圧潰群5例と比較してMJS開大率が有意に高かった。嚢胞が縮小化するためにはMJSが開大することが必要な条件であり、術前の骨頭嚢胞の大きさはChiari手術の術後成績を左右しなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2014