関節周辺骨折 最近の診断・治療
手関節、手根骨、指関節 陳旧性第5手根中手関節内骨折に対する第4・5中手骨基部固定手術
射場 浩介
1
,
和田 卓郎
,
目良 伸介
,
山下 敏彦
1札幌医科大学 整形外科
キーワード:
X線診断
,
関節可動域
,
骨折
,
手根骨
,
中手骨
,
手首外傷
,
骨折-関節内
,
手根中手関節
Keyword:
Carpal Bones
,
Radiography
,
Wrist Injuries
,
Range of Motion, Articular
,
Fractures, Bone
,
Carpometacarpal Joints
,
Metacarpal Bones
,
Intra-Articular Fractures
pp.98-102
発行日 2009年10月10日
Published Date 2009/10/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2010044644
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症例1:58歳女。転倒時に右手を突き、尺側部の腫脹と疼痛が出現した。外固定・理学療法にても症状の改善なく当科紹介となり、受傷後1年3ヵ月時で右小指は尺側に偏位し、屈曲に伴い中手骨頭の背側突出と小指の回内方向への回旋変形を認めた。画像所見より陳旧性第5手根中手(CM)関節脱臼骨折および変形性関節症と診断し、Dubert法に準じて手術を施行した。CM関節の整復後、中手骨基部を切除し、第4・5中手骨基部間を皮質骨スクリューとKirschner鋼線で固定して腸骨自家骨移植を行った。術後疼痛・変形は改善し、1年4ヵ月経過して仕事や日常生活での支障はない。症例2:40歳男。転落時に右手を突き、第5中手骨基部骨折の診断で経皮的鋼線固定術を受けたがCM関節の疼痛が持続し当科紹介となった。第5CM関節内骨折後の変形性関節症と診断し、第5中手骨と有鉤骨間のCM関節固定術を施行した。しかし、関節固定部は偽関節となり、疼痛が残存したため、症例1と同様の手術を追加した。術後3ヵ月で骨癒合は得られ、疼痛も改善した。
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