臨床室
二度の脳出血による右内反尖足変形の1例
川田 英樹
1
,
石川 義久
,
石塚 謙
,
萩原 佳代
,
星野 雄一
,
雨宮 昌栄
1とちぎリハビリテーションセンター 整形外科
キーワード:
X線診断
,
関節可動域
,
関節固定術
,
拘縮
,
骨板
,
足関節
,
X線CT
,
内反足
,
脳出血
,
片麻痺
,
リハビリテーション
,
三次元イメージング
,
腱切り術
,
腱延長術
,
短下肢装具
Keyword:
Ankle Joint
,
Arthrodesis
,
Clubfoot
,
Bone Plates
,
Contracture
,
Hemiplegia
,
Radiography
,
Rehabilitation
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Range of Motion, Articular
,
Intracranial Hemorrhages
,
Imaging, Three-Dimensional
,
Tenotomy
,
Tenotomy
pp.331-333
発行日 2016年4月1日
Published Date 2016/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2016279874
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28歳女性。16歳時に脳動静脈奇形による脳出血の発症で右片麻痺を生じ、20歳時には再び脳出血を発症、気管切開やガンマナイフ治療を受け、現在もスピーチカニューレを挿入中であった。一方、右片麻痺の重症化があり、自宅退院後は通院リハビリテーションを行っていたが、右下肢は短下肢装具を装着しても立位時の足趾痛で立位歩行や荷重歩行が不可能であった。今回、この右足の矯正手術目的で著者らの施設へ紹介となった。受診時、車椅子での移動は自立していたが、右足関節は底屈60°、内反40°で拘縮していた。また、画像所見では内反尖足を認め、右足の下肢長差は約7cmであった。更に初期評価ではBrunnstromの下肢回復分類はstage Vで足関節の動きはみられなかった。以上、これらの所見を踏まえて、足部の内側から内果下方をまわり、下腿に至る内側長彎曲を皮切して展開し、アキレス腱、後脛骨筋腱、長母趾屈筋腱、長趾屈筋腱を切離した。その後、足部の内後方の拘縮を解離して、前足部の矯正はEvansの術式により踵骨と立方骨間の関節固定を行い、距骨・踵骨より各1本鋼線を刺入後、矯正位に合わせて腱を延長縫合した。その結果、術後4週で鋼線を抜去、荷重歩行を開始し、術後3ヵ月に短下肢装具と1本杖使用で独歩退院となった。尚、目下、術後10ヵ月経過で右足の痛みなく荷重ができている。
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