変形性関節症の臨床 変形性関節症の保存的治療 運動療法が末期変形性膝関節症の日常生活動作に及ぼす効果

ADL制限の顕著な末期膝OA患者88例を対象に、運動療法開始後24ヵ月以上経過観察し有効であった15例(有効群)と無効群32例、人工膝関節全置換術を施行した41例(TKA群)に分け、最終観察時の日本版膝関節症機能評価尺度(JKOM)、VAS、Up & go testを比較検討した。JKOMによるADL評価およびUp & go testの結果から、末期膝OAでも運動療法が有効なケースではTKAの術後とほぼ同様のADL機能が維持されていることが確認された。一方、除痛効果に関しては、JKOMの痛みとこわばり感の評価およびVASの結果から、TKAが運動療法より効果的であることが確認された。