経験と考察
保存的治療抵抗性の変形性膝関節症患者の日常生活動作困難度とヘモグロビンA1cとの関連性
戸田 佳孝
1
1戸田整形外科リウマチ科クリニック
キーワード:
Glycosylated Hemoglobin A
,
糖尿病
,
糖尿病性神経障害
,
日常生活活動
,
分散分析
,
Advanced Glycosylation End Products
,
重症度指標
,
変形性膝関節症
,
BMI
Keyword:
Activities of Daily Living
,
Analysis of Variance
,
Diabetes Mellitus
,
Diabetic Neuropathies
,
Glycated Hemoglobin A
,
Severity of Illness Index
,
Body Mass Index
,
Glycation End Products, Advanced
,
Osteoarthritis, Knee
pp.928-931
発行日 2014年8月1日
Published Date 2014/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2014369923
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
他院で変形性膝関節症(膝OA)に対する保存的治療を受けたにもかかわらず日常生活動作(ADL)の困難感が継続していた68例(男11例、女57例、平均年齢64.9歳)を対象に、ヘモグロビンA1c(HbA1c)、体格指数(BMI)、Lequesne重症度指数の評価を行った。Lequesne重症度指数はHbA1cと有意な正の相関性を示した。HbA1cが6.2%以上の11例のLequesne重症度指数は平均6.8点であり、HbA1c正常値の57例の5.4点と比較して有意に高値であった。一方、BMIはHbA1cとの間に有意な相関性は示さなかった。膝OAに対する保存的治療でADL困難度が軽快しない症例は、自覚症状のない糖尿病性神経障害や終末糖化産物による軟骨でのインターロイキンの発現が関与している可能性があると思われた。
©Nankodo Co., Ltd., 2014