発行日 2005年5月1日
Published Date 2005/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2005190847
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ラット大腿骨骨幹部骨折モデルを用い,髄内釘の材質を形状記憶合金(SMA)とした手術を検討した.SMA製髄内釘をU次に曲げ,大腿骨骨折端部から髄内に挿入し,直刺下に骨折部の徒手整復を行った(SMA群).対照には,ステンレス製ワイヤーを使用した(SUS群).髄内釘の平均挿入時間は,両群とも1分程度であった.骨癒合は,SMA群では6~8割にみられたが,SUS群では皆無であった.また,術後10週時にも,SMA群では1匹にも骨癒合を認めなかった.本方法は術中にX線透過装置を必要とせず,骨折の整復を短時間で行えるが,100%の骨癒合率を得られなかった.髄内での固定性を高めるためのサイズやデザインの工夫を行えば骨癒合率も改善され,臨床応用が進むと考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2005