発行日 2005年9月1日
Published Date 2005/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2006004693
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大腿骨頭軟骨下脆弱性骨折(SIF)の3例(症例1:88歳女,症例2:87歳女,症例3:87歳女)を経験した.いずれも高度の骨粗鬆症を伴った高齢女性で,ステロイド内服歴,飲酒歴及び肥満はなかった.症例1は単純X線像で右股関節に軽度の関節裂隙の狭小化,左股関節に大腿骨頭の偏平化,荷重部に骨透亮像を認め,MRI所見で両大腿骨頭荷重面の上外側部を中心に高輝度領域を認めた.SIFを疑い右人工骨頭置換術を施行し,術後経過良好にて退院したが,その後,左股関節痛が再燃し,左人工骨頭置換術を施行した.病理所見結果から両大腿骨頭に発生したSIFと診断した.症例2は股関節痛が高度であり,早期社会復帰を希望したため右人工骨頭置換術を施行し,病理所見からSIFと診断した.現在右股関節痛は消失し,T字杖歩行で通院中である.症例3は症例2と同様に早期の社会復帰を希望したため人工骨頭置換術を施行し,病理所見にてSIFと診断した.術後経過は問題なく,T字杖歩行で通院中である
©Nankodo Co., Ltd., 2005