整形外科office-based surgery-1人でできるテクニック
麻酔法 透視下腕神経叢ブロック
五嶋 謙一
1
,
原 潤一郎
1公立羽咋病院 整形外科
キーワード:
Mepivacaine
,
X線診断
,
医学用イラストレーション
,
気胸
,
内固定法
,
手術時間
,
腕神経叢ブロック
Keyword:
Fracture Fixation, Internal
,
Mepivacaine
,
Medical Illustration
,
Pneumothorax
,
Radiography
,
Operative Time
,
Brachial Plexus Block
pp.198-201
発行日 2007年4月10日
Published Date 2007/4/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2007181351
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上肢手術において透視下腕神経叢ブロックを施行した50例の治療成績を検討した。ブロック手技は、鎖骨上窩に第1肋骨中斜角筋付近部を確認し、神経・血管穿刺を避けるために第1肋骨中央よりやや後方外側寄りから刺入し、針先を中斜角筋付着部の中央から内側寄りに移動させ薬剤を注入した。手術時間は平均53分、麻酔から執刀開始までの時間は平均35.2分、麻酔持続時間は平均3.5時間であった。術中追加の麻酔を要したものは4例であった。1例は上腕部神経鞘腫摘出例で、ブロックは十分効いていたものの、ミダゾラムによる不穏状態がみられ全身麻酔を要した。その他、鎖骨骨折2例を含む3例で局所麻酔を追加した。ミダゾラムを術前に用いたのは23例で、術中ブロックの効果が不十分なために使用したものはなかった。成功率は92%で、気胸、局所麻酔中毒、神経損傷などの合併症を生じた症例はなかった。上肢手術における透視下腕神経叢ブロックは、安全性、確実性ともに満足できる結果が得られ、手技上も簡便であり、有効な麻酔法と考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2007