整形外科office-based surgery-1人でできるテクニック
麻酔法 上肢手術での麻酔法 Kulenkampff変法
寺浦 英俊
1
,
坂中 秀樹
,
五谷 寛之
,
小松 猛
,
蔡 栄美
,
妻鹿 良平
,
片岡 威博
,
山野 慶樹
1清恵会病院 整形外科・大阪外傷マイクロサージャリーセンター
キーワード:
Epinephrine
,
Lidocaine
,
医学用イラストレーション
,
気胸
,
鎖骨下動脈
,
上肢
,
全身麻酔
,
中手骨
,
精神鎮静法
,
Ropivacaine
,
指節骨骨折
,
腕神経叢ブロック
Keyword:
Anesthesia, General
,
Epinephrine
,
Lidocaine
,
Medical Illustration
,
Pneumothorax
,
Subclavian Artery
,
Upper Extremity
,
Metacarpal Bones
,
Brachial Plexus Block
,
Ropivacaine
pp.192-197
発行日 2007年4月10日
Published Date 2007/4/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2007181350
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山野らの報告した改良鎖骨上窩腕神経叢ブロック(Kulenkampff変法)により上肢手術を施行した482例の治療成績を検討した。臨床症状を呈した気胸、横隔神経麻痺、運動神経麻痺を伴う神経損傷などの合併症は認めなかった。手術時間は全例で平均105分であり、麻酔薬別では塩酸ロピバカイン水和物単独使用例が最も長く、次いで塩酸リドカイン・塩酸ロピバカイン水和物併用例、塩酸リドカイン単独使用例の順であった。尺骨茎状突起骨折や第5中手骨骨折などの尺骨神経領域の麻酔が必要な手術は126例で、うち103例(81.7%)はKulenkampff変法のみにて手術可能であったが、23例は手術部位の完全な無痛が得られず腋窩法での麻酔を追加した。20mlの麻酔薬を使用したKulenkampff変法のみで十分な麻酔効果が得られ手術可能であった症例は482例中435例で、90.2%の成功率であった。麻酔不十分の症例では腋窩法および局所麻酔を追加することにより手術可能で、全身麻酔に変更した症例は無かった。
©Nankodo Co., Ltd., 2007