発行日 2006年4月10日
Published Date 2006/4/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2006184923
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前骨間神経麻痺3例と後骨間神経麻痺3例を対象とし,くびれの形態から予想される予後や治療について検討した.前骨間神経麻痺例では,上腕骨内上顆の近位2~9cmのあいだで正中神経幹にくびれがみられ,3例とも複数の神経線維束に生じていた.後骨間神経麻痺例ではくびれはFrohseのアーケードの近位1.5~4.5cmの部位にあり,ほぼ肘関節裂隙高位であった.術後,耐えがたい疼痛を伴った前骨間神経麻痺例では翌日には消失した.前骨間神経麻痺例の1例は術後12ヵ月に早期の力仕事復帰を希望し腱移行を行ったが,他の前・後骨間神経麻痺例は経過とともにほぼ完全に回復した.発症3ヵ月を経ても回復がみられない場合は顕微鏡下の手術を行うべきであることが示唆された
©Nankodo Co., Ltd., 2006