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特集 末梢神経―Current Concept in 2022
Ⅴ.前・後骨間神経麻痺
特発性前骨間神経麻痺と後骨間神経麻痺
-―疫学,臨床的特徴と治療法の選択―
Treatments and clinical features of spontaneous anterior/posterior interosseous nerve palsy
越智 健介
1
Kensuke OCHI
1
1東邦大学医学部,自然・生命・人間先端医学講座
キーワード:
Spontaneous anterior interosseous nerve palsy
,
Spontaneous posterior interosseous nerve palsy
,
Treatment
Keyword:
Spontaneous anterior interosseous nerve palsy
,
Spontaneous posterior interosseous nerve palsy
,
Treatment
pp.595-604
発行日 2022年4月30日
Published Date 2022/4/30
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000002128
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要旨:疾患概念自体が確立されていないため,疫学の詳細は不明である。発症後6カ月以上回復徴候のない特発性前骨間神経麻痺の場合,長野分類Ⅱ型の男性では保存的治療の継続を検討する。それ以外の症例では,発症後10カ月以内に神経束間剝離術も考慮する。手術瘢痕を気にする症例では,小皮切による神経束間剝離術も選択肢となる。発症後6カ月以上回復徴候のない特発性後骨間神経麻痺の場合,急性発症かつ前駆症状のない症例では保存的治療を継続する。急性発症かつ前駆症状のある症例では,可及的早期の神経束間剝離術も考慮する。発症後12カ月以上回復徴候がない,発症時年齢50~55歳以上,尺骨神経麻痺(C8麻痺)合併,Ⅲ型の神経束形態異常例では神経束間剝離術と腱移行術の一期的施行も考慮する。緩徐発症の場合,若年例では発症後早期なら神経束間剝離術の成績が良い可能性がある。機能障害が残った場合は,腱移行術などの機能再建術を行う。
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