発行日 2004年10月25日
Published Date 2004/10/25
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2005029230
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死体膝4体を用い,人工膝関節全置換術(TKA)時に後十字靱帯(PCL)を切離したところ,屈曲後期で前後方向の動揺性が増大した.また大腿骨のロールバックも消失し,膝伸展にもより大きな大腿四頭筋力を要した.次に,術後87~118ヵ月経過したPCL温存型TKA 14例19膝(男1例,女13例,平均69.5歳)における前後方向の動揺性をKT-2000により検討した.その結果,屈曲30°における動揺性は平均10.1mm,75°では8.0mmであった.30°>75°となっているものをPCL機能型,30°<75°を不全型とすると,機能型は8膝,不全型は7膝で,他の4膝は屈曲角度90°以下であった.不全群は機能群に比較してKnee Society scoreが有意に低値であった.PCL温存型TKA 19膝における動揺性の術後経過を調べたところ,全例の平均値では術前から術後5年まで屈曲30°及び75°のいずれにも有意な変化はなかったが,4膝で3mm以上の増加を認めた.この4膝中3膝には高位脛骨骨切り術の既往があった
©Nankodo Co., Ltd., 2004