発行日 2002年4月25日
Published Date 2002/4/25
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2002203752
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髄内釘手術時におけるリーミング直後の髄内洗浄を試みた.対象は,下肢骨幹部骨折69例73肢(男性55例,女性14例・平均年齢45歳)であった.全例で骨癒合が得られ,髄内洗浄によるとみられる合併症はなく,開放骨折を含め深部感染を起こした症例や術中・術後に脂肪塞栓症候群を合併した症例もなかった.洗浄方法は,リーミング直後に髄内釘手術器具付属のエクスチェンジチューブをガイドワイヤーを通して近位端髄腔から骨折部を超えて遠位骨端髄腔まで挿入し,ガイドワイヤーを抜去した.このチューブの中を通して外科用PTCDチューブを遠位髄腔まで挿入し,PTCDチューブに注射器を接続して抗生物質入りの生理食塩水を髄内に注入した.髄腔内内容物(骨屑と血腫,骨髄脂肪)が近位髄腔とエクスチェンジチューブから排出され,排出液が無色透明となった時点で終了し,髄内釘を行った.髄内洗浄は特殊な器具を必要とせず,手技も容易で短時間に行えて,リーミングによって生じる合併症を軽減できる可能性があると考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2002