発行日 2002年4月25日
Published Date 2002/4/25
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2002196596
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骨欠損に対する凍結乾燥低温プラズマ滅菌処理同種骨移植について報告した.対象は,粉砕骨折の33例(男性18例,女性15例・平均年齢59歳)であった.同種骨は生体ドナーから採取の計20例(大腿骨頭10例,切断肢からの脛骨5例,TKA切除骨5例)で,-20~-80℃のフリーザーに保存し,海綿骨は径5mmのチップ状に,骨幹部皮質骨は長径3~5cm,厚さ3~5mmに採型し,脱脂凍結乾燥骨を作製した.60℃・10時間の加熱処理をし,最終滅菌処理は過酸化水素低温プラズマ滅菌を使用した.使用法は,滅菌生食水に含浸した後,関節近傍の骨幹端,骨端部にはチップ状の海綿骨成分主体の同種骨,もしくは大腿骨頭のスライス状のものを移植し,内固定もしくは創外固定を行った.骨幹部の欠損例には皮質骨状の移植骨を補填しプレートとともにスクリュー固定を行った.27例(81.8%)が術後6ヵ月以内に骨癒合が得られ,手術部位の細菌感染は認めなかった.凍結乾燥同種骨は保存及び手術時の使用が簡便で非常に有用と考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2002