発行日 2002年4月25日
Published Date 2002/4/25
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2002191721
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下肢骨幹部複合骨折に対するAO/ASIF型ピンレス創外固定法について報告した.対象は,救急搬送された下腿開放骨折に大腿骨骨幹部骨折を伴う下肢骨幹部複合骨折5例(男性4例,女性1例・平均年齢21.2歳)であった.初期治療は開放創の洗浄,デブリドマン後軟部組織の修復を行い,骨折部の整復・固定は下腿骨折にはAO/ASIF型ピンレス創外固定器で,大腿骨骨折には鋼線牽引で整復した.受傷後10日以内に二期手術を施行した.大腿骨・下腿骨折とも横止め式髄内釘固定法を選択し,下肢牽引台に患肢上の側臥位で大腿骨骨折に行い,次いで仰臥位で下腿骨折に行った.術後6ヵ月で1例に下腿骨折の遷延癒合傾向を認めたが,その他は良好な骨癒合であった.下肢機能の自覚症状ではexcellentが4例,goodが1例,下肢変形は全例がexcellentで,脚短縮はexcellentが4例,goodが1例であった.ピンレス創外固定器は,多肢骨骨折を伴う本骨折に対し,temporary fixationとして有用な固定器材であると考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2002