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がん患者の倦怠感は進行期では高頻度に認められ、患者のQOLを障害する症状である。本研究では、リフレクソロジーによる進行期がん患者の倦怠感に対する効果を検討した。研究方法は、無作為化クロスオーバー試験であり、1日目に倦怠感評価尺度の測定のみ行い、2日目にリフレクソロジーの前後で測定を行うグループと、介入日を入れ替えたグループを設定した。倦怠感は、Cancer Fatigue Scale(CFS)、Fatigue Numerical Scale(FNS)、POMS短縮版疲労項目(POMS)を用いて評価した。割付や質問紙の配布・回収およびデータの入力・解析は、介入の有無を盲検化された施術者以外のものが担当した。8名の進行期がん患者が無作為に割りつけられた。CFSの総合的倦怠感得点の平均は介入前28.5、後19.8で、非介入前24.9、後24.4で、介入前後のほうが有意に低下していた(P=0.006)。CFSの下位尺度では、身体的倦怠感の得点の平均は介入前10.6、後7.0で、非介入前9.9、後9.6で、介入前後のほうが有意に低下(P=0.01)、精神的倦怠感の得点の平均は介入前12.9、後8.6で、非介入前10.1、後10.1で、介入前後のほうが有意に低下していた(P<0.001)。認知的倦怠感の得点の平均は介入前5.0、後4.1で、非介入前4.9、後4.6で、介入の有無で統計学的な有意差は認められなかった。FNS得点の平均は介入前6.1、後5.0で、非介入前5.5、後5.8で、介入前後のほうが有意に低下(P=0.004)していた。介入によりCFSの総合的倦怠感、身体的倦怠感、精神的倦怠感とFNSで有意な低下が認められた。リフレクソロジーは、治癒困難な進行期がん患者の倦怠感に対し有効な看護援助になりうる可能性が示唆された。
©Nankodo Co., Ltd., 2013