発行日 2007年11月20日
Published Date 2007/11/20
DOI https://doi.org/10.15106/J03022.2008031586
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がん患者の倦怠感は終末期では高頻度に認められ、患者のQOLを著しく障害する症状である。われわれが行った先行研究において、ラベンダーを使用した足浴とリフレクソロジーが、終末期がん患者の倦怠感を有意に軽減させることを報告した。しかしこの研究は複数のケアを組み合わせたため、アロマテラピー単独の効果を評価していない。そこでケアとしてスィートオレンジを使用した足浴を選択し、協力の得られた4施設の緩和ケア病棟入院患者の倦怠感に対するアロマテラピーの効果について検討を行った。対象を1日目に足浴、3日目にアロマテラピーを使用した足浴を行うグループと、足浴の順序を入れ替えたグループに登録順に振り分けた。評価は足浴前と4時間後にCancer Fatigue Scaleを使用し行った。足浴もアロマテラピーを使用した足浴のどちらもCancer Fatigue Scaleの総合的倦怠感と身体的倦怠感を改善したが、介入方法による違いは認められず、アロマテラピーによる上乗せ効果を確認できなかった。アロマテラピーの快適性については、満足度の高いケアであることが示されており、今後研究方法の見直しや症例数を増やしての検討が必要である。
©Nankodo Co., Ltd., 2007