慢性疾患となった骨髄腫-どのように診断するか? どのように付き合っていくか? まずは骨髄腫診療の全体像をつかむ
治療を必要とする骨髄腫の治療フローチャート
矢野 寛樹
1
,
飯田 真介
1愛知県厚生農業協同組合連合会海南病院 血液内科
キーワード:
自家移植
,
骨髄腫-多発性
,
予後
,
アルゴリズム
,
造血幹細胞移植
,
治療成績
,
評価基準
Keyword:
Algorithms
,
Multiple Myeloma
,
Prognosis
,
Transplantation, Autologous
,
Treatment Outcome
,
Hematopoietic Stem Cell Transplantation
pp.859-864
発行日 2017年10月1日
Published Date 2017/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2017361077
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多発性骨髄腫(MM)は進行が緩徐な腫瘍で年単位の予後が期待できるが,治癒は得られない.QOLを維持しながら生存期間の延長を図るのが基本的な治療方針である.MMの治療は,自家造血幹細胞移植(ASCT)の適否(主に年齢)に基づいて決定され,病期は関与しない.65歳未満であれば,BD療法やLd療法などを3~4コースで寛解導入を行った後,ASCTを行う.65歳以上の症例に対しては,VMP療法やLd療法などを行う.MMの予後予測モデルとして,ISSと,これに染色体異常やLDHを加えたR-ISSがあり,これらにより病期を決定する.MMの治療効果は,血清と尿のM蛋白減少割合によって判定する.MMの治療成績は,ここ20年の間にASCTや新規薬剤の恩恵で著しく改善している.
©Nankodo Co., Ltd., 2017