発行日 2006年8月1日
Published Date 2006/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2007007019
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多発性骨髄腫(MM)に対する造血幹細胞移植の適応については,欧米の臨床試験によりエビデンスが確立されてきた.現時点における移植の現状は以下のように総括される.自家末梢血幹細胞移植は65歳以下の若年者MMにおける標準的治療である.前処置としてmelphalan 200mg/m2が推奨される.自家末梢血幹細胞移植による平均生存期間は4~5年で,治癒は得られない.タンデム自家移植では,無イベント生存期間の延長が期待でき,とくに初回移植でvery good partial response,near complete responseが得られた症例で有用である.タンデム自家/ミニ移植の有用性が明らかにされてきた.自家造血幹細胞移植後の維持療法としてthalidomideの有用性が明らかにされてきた.thalidomideやbortezomibなどの新規薬剤が寛解導入に使用され,その組み合せにより自家移植に匹敵する成績が報告されている.新規薬剤と造血幹細胞移植を組み込んだ臨床試験が海外で進行中である
©Nankodo Co., Ltd., 2006