認知症1,000万人時代を目前に控えて-最新の診断,マネジメント,そして分子標的治療へ 認知症の根本治療へ向けたコホート研究,治験,仕組みづくりに今必要なこと
preclinical ADとA4研究
鈴木 一詩
1
1東京大学 神経内科・早期探索開発推進室
キーワード:
Alzheimer病
,
Amyloid Beta Peptides
,
生物学的マーカー
,
第III相試験
,
多施設共同研究
,
早期診断
,
軽度認知障害
,
早期医療介入
,
Solanezumab
Keyword:
Alzheimer Disease
,
Biomarkers
,
Amyloid beta-Peptides
,
Multicenter Studies as Topic
,
Clinical Trials, Phase III as Topic
,
Early Diagnosis
,
Early Medical Intervention
,
Cognitive Dysfunction
,
Solanezumab
pp.283-286
発行日 2017年8月1日
Published Date 2017/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2017338868
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Alzheimer病(AD)の病態仮説であるアミロイド仮説に基づき,ADの進行過程におけるMCI due to AD(ADによる軽度認知障害)に先行する病期としてpreclinical ADが提唱されている.preclinical ADは,各種バイオマーカーにより脳内アミロイド蓄積が示唆されるが,認知機能はほぼ正常範囲に留まる時期を指す研究的診断区分である.A4研究は官民連携体制により研究が運営される世界的な多施設共同研究であり,preclinical ADを対象に治療介入を行う先進的な研究である.A4研究では認知機能検査やアミロイドPET等でpreclinical ADに当たる症例を見出し,抗アミロイド抗体であるsolanezumabを継続投与して認知機能低下の抑制効果やバイオマーカーへの影響などを検証する.
©Nankodo Co., Ltd., 2017