認知症1,000万人時代を目前に控えて-最新の診断,マネジメント,そして分子標的治療へ 認知症の根本治療へ向けたコホート研究,治験,仕組みづくりに今必要なこと
軽度認知障害に対するcilostazolの投与 COMCID研究
猪原 匡史
1
,
角田 良介
,
齊藤 聡
1国立循環器病研究センター 脳神経内科
キーワード:
Amyloid Beta Peptides
,
ランダム化比較試験
,
Cilostazol
,
軽度認知障害
,
Mini-Mental State
Keyword:
Amyloid beta-Peptides
,
Randomized Controlled Trials as Topic
,
Cognitive Dysfunction
,
Cilostazol
pp.287-289
発行日 2017年8月1日
Published Date 2017/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2017338869
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cilostazolは,血小板のホスホジエステラーゼIIIを抑制し,血小板凝集を抑制する脳梗塞予防薬である.加えて,cilostazolは,血管平滑筋のホスホジエステラーゼIIIを抑制し,血管拡張により脳血流を上昇させる「血管作動性」を有する.cilostazolはこの血管作動性により,アミロイドβの脳外排泄を促進し,認知機能を改善することが前臨床試験で示されている.過去の臨床研究で,cilostazolはミニメンタルステート検査スコア(MMSE)の低下を抑制したことが報告されている.ドラッグ・リポジショニングを目指し,軽度認知障害(MCI)に対しcilostazolを投与する医師主導治験COMCID研究が行われている.
©Nankodo Co., Ltd., 2017