ウイルス肝炎診療の最前線と今後の展開 日常臨床のポイントと知っておきたい最新情報 B型肝炎の最新知見と治療最前線
必ず知っておきたいHBVの再活性化de novo B型肝炎の知識
持田 智
1
1埼玉医科大学 消化器内科肝臓内科
キーワード:
ウイルスDNA
,
ウイルス活性化
,
肝炎-B型
,
B型肝炎ウイルス
,
データ収集
,
発生率
,
肝不全-急性
,
厚生労働省
,
診療ガイドライン
Keyword:
Data Collection
,
DNA, Viral
,
Hepatitis B
,
Hepatitis B virus
,
Virus Activation
,
Incidence
,
Practice Guidelines as Topic
,
Liver Failure, Acute
pp.699-702
発行日 2014年4月1日
Published Date 2014/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2014127392
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HBVは肝細胞で増殖する際にcccDNAを形成し,臨床的治癒後もこれが核内に残存する.このため一過性感染による既往感染例も遺伝子レベルではキャリアと同等で,免疫抑制化学療法後のウイルスが再活性化し,肝障害を生じる場合がある.治療介入を要する再活性化の頻度は治療法によって異なり,末梢血幹細胞移植では約30%,rituximabを用いた悪性リンパ腫の治療では約8%,リウマチ疾患などへの免疫抑制療法で2~3%,固形がんの化学療法で1%未満である.重症肝炎の発症は,血清HBV DNAを定期的に測定し,2.1 log copies/mL以上でentecavirを投与することで予防可能である.しかし,その有用性に関して,医療経済的な観点からの検証が続けられている.
©Nankodo Co., Ltd., 2014