肝臓を診る-肝臓病のキモ 肝不全・肝硬変・肝細胞がん
肝細胞がん 「見つかったときには手遅れ」とならないために
黒松 亮子
1
,
鳥村 拓司
1久留米大学 内科学講座消化器内科部門
キーワード:
肝炎-アルコール性
,
肝細胞癌
,
集団サーベイランス
,
発生率
,
肝炎-B型-慢性
,
肝炎-C型-慢性
,
リスク評価
,
発癌
,
肝疾患-非アルコール性脂肪性
Keyword:
Hepatitis, Alcoholic
,
Carcinoma, Hepatocellular
,
Population Surveillance
,
Incidence
,
Risk Assessment
,
Hepatitis B, Chronic
,
Hepatitis C, Chronic
,
Carcinogenesis
,
Non-alcoholic Fatty Liver Disease
pp.1181-1185
発行日 2017年6月1日
Published Date 2017/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2017264382
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肝細胞がんが「見つかったときに手遅れ」となるのは,肝細胞がんのハイリスクグループであることの認識が不十分で定期観察されていなかった場合,ハイリスクグループであるため定期観察されていたが,がんを見落としていた場合の大きく2つが考えられる.肝細胞がんの原因はB型,C型肝炎ウイルス関連慢性肝疾患から非B非C肝疾患に移行しつつあり,そのなかでも非アルコール性脂肪肝炎(NASH)に起因した肝細胞がんの増加が注目されている.肝細胞がんの原因により発がん率や発がんのハイリスクグループが異なる.肝予備能が保たれており,3cm 3個以下,5cm以下単発で診断された肝細胞がんは根治的治療である肝切除やラジオ波焼灼療法が可能である.
©Nankodo Co., Ltd., 2017