発行日 2016年8月1日
Published Date 2016/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2016356570
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症例は88歳女性で、5日前から腹部膨満感、嘔気、食欲不振が出現し、食事や水分摂取困難となった。輸液、胃腸薬を処方されたが症状が悪化した。血液検査で著明な白血球増多、CRP陽性、高血糖、貧血を認めた。尿検査で蛋白尿強陽性、尿糖強陽性、尿潜血陽性であった。リザーバーマスク3L/分の酸素投与下でも低酸素血症を認めた。心電図で心房細動を認め、腹部X線で骨盤内にリングペッサリーと考えられるリング状陰影を認めた。また、膀胱内ガス貯留によるニボー形成を認めた。腹部単純CTで膀胱壁内ガスおよび膀胱内ガス貯留によるニボー形成を認めた。脱水を伴う糖尿病に炎症性病変を合併していたため、ただちに生理食塩水を主とする輸液と速攻型インスリンの持続静脈投与を開始した。呼吸不全に対して人工呼吸器でBIPAPによる呼吸管理を行った。気腫性膀胱炎と診断し、留置カテーテルによる膀胱ドレナージと抗菌薬を投与した。治療開始後意識状態は悪化し、血圧低下、乏尿を認めた。敗血症性ショックを合併し、死亡した。
©Nankodo Co., Ltd., 2016