高齢・超高齢透析患者の致死的感染症
泌尿器科関連感染 気腫性腎盂腎炎・膀胱炎、膿腎症
錦戸 雅春
1
,
北村 峰昭
,
北村 里子
,
酒井 英樹
,
原田 孝司
1長崎大学病院 血液浄化療法部
キーワード:
気腫
,
血液透析
,
腎盂腎炎
,
膀胱炎
,
予後
,
膿腎症
,
腹部CT
Keyword:
Cystitis
,
Emphysema
,
Renal Dialysis
,
Pyelonephritis
,
Prognosis
,
Pyonephrosis
pp.197-204
発行日 2016年2月10日
Published Date 2016/2/10
DOI https://doi.org/10.19020/J01864.2016206386
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気腫性腎盂腎炎・膀胱炎,膿腎症はまれではあるが,重症化して致死性になる尿路感染症であり,発症のリスクファクターには糖尿病や尿路閉塞が関連している.高齢・糖尿病の透析患者は神経因性膀胱や尿路閉塞が見逃されていることも多い.さらに尿毒症に伴う免疫力の低下や尿量減少による不十分な細菌wash out,動脈硬化,低栄養状態など尿路感染症の増悪因子を多数有している.したがって症状のある尿路感染症においてはこれらの疾患の存在も頭に入れて積極的にCTなどの画像検査を行い,早期発見と抗菌薬の全身投与,血糖コントロールや血圧などの全身管理,適切な尿路ドレナージで重症化を予防することが大切である.
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