発行日 2016年10月1日
Published Date 2016/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2017028484
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67歳男。他医にて非小細胞肺癌と転移性脳腫瘍に対する脳腫瘍全摘術、放射線治療を受け、療養目的で当院転院となった。転院時点で肺炎、仙骨部褥瘡を合併しており、抗菌薬投与を行い肺炎は軽快した。経過中に尿量の減少を認め、腹部・骨盤腔CT所見および一般尿検査、尿培養結果(Escherichia coli(2+))から気腫性膀胱炎と診断し、抗菌薬MEPMを投与したところ尿量は回復し、尿培養も陰性化した。その後、肺炎を再発し、敗血症状態となり、低酸素血症が著明となり死亡した。なお、仙骨部褥瘡は最後まで治癒しなかった。本例は糖尿病の合併はなく、低栄養状態が遷延し気腫性膀胱炎を発症したと考えられた。
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