炎症性腸疾患-ファーストタッチから長期マネジメントまで 各種治療薬について知っておくべきこと
ステロイド
中村 志郎
1
,
樋田 信幸
,
飯室 正樹
,
横山 陽子
,
木田 裕子
1兵庫医科大学 炎症性腸疾患内科
キーワード:
Crohn病
,
Prednisolone
,
Steroids
,
筋疾患
,
骨粗鬆症
,
神経症状
,
大腸炎-潰瘍性
,
薬物反応性低下
,
治療成績
,
物質関連障害
,
精神症状
Keyword:
Crohn Disease
,
Colitis, Ulcerative
,
Drug Tolerance
,
Neurologic Manifestations
,
Muscular Diseases
,
Osteoporosis
,
Prednisolone
,
Steroids
,
Treatment Outcome
,
Substance-Related Disorders
pp.609-614
発行日 2015年10月1日
Published Date 2015/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2016019451
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
炎症性腸疾患,とくに潰瘍性大腸炎の内科治療において,ステロイドは現在も中等症から重症例に対する主たる薬物療法として位置付けられている.ステロイド治療に際し,左側結腸型ではまず注腸剤を優先する.全身投与では中等症の場合prednisolone経口1日30~40mg,重症の場合は点滴静注1日40~80mg程度を開始用量とする.ステロイド治療の有効性について,短期的には約60%で臨床的寛解,約40%は内視鏡的にも寛解が得られるとされているが,長期的に寛解維持効果はなく約30%前後は依存性に移行する実態がある.総投与量がprednisolone換算で10,000mgを超えると重篤な副作用の出現率が有意に高くなることが報告されており,依存例に対しては,適宜副作用の評価と,免疫調節薬などを用いた積極的な離脱治療が必要である.
©Nankodo Co., Ltd., 2015